いまさら鉄血のオルフェンズの感想

こいつは死んでいいアニメだから

前提

ガンダムシリーズ初視聴がこのタイトルでした。
gyaoで無料配信してたのをちまちま見てました。
(どうしようもないクソ脚本と聞いて胸が高鳴って仕方がなかった)

鉄血のオルフェンズ

一言で言えば、無計画に進んで自滅する過程を描いたギャグアニメです。

登場人物の掘り下げがまったくなく、また行動原理もいちいち理解不能なためキャラクターへ感情移入がしづらく、
話の進め方がワンパターンなので今後の展開を予想する楽しみがなく、
最新鋭の作画による戦闘シーンも人間ドラマの方に尺が割かれており、
とりあえず殺しておけばいいと安直な悲劇が描かれたのが今作です。

不自然に挿入される下ネタや恋愛描写

気持ち悪いんだよね
本当に気持ち悪い

辿り着くべき場所

カルタ戦後
オルガ「俺たちにはもう戻る場所はねぇ。けどな、辿り着く場所ならある。辿り着くぞ、俺たちみんなで!」

三日月「ここが俺たちの場所なの?」
オルガ「…」
三日月「そこに着くまで俺は止まらない。止まれない。決めたんだ。あの日に決まったんだ」


ハシュマル戦後
名瀬「火星の王ってのが、家族のために本当にお前の目指すべき場所なのか?」
オルガ「俺はそう思ってます。そうなればあいつらにも楽をさせてやれる。立場もつけてやれる」


オルガ暗殺時
オルガ「俺たちには辿り着く場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい」

オルガが団員に安息を与えるための火星の王(辿り着く場所)を諦めた後、
おそらくクーデリアの尽力で団員に職を斡旋し、皮肉にもあっさりと当初のオルガの願いが叶ったのであった。
(「筋を通す」とかいう合理性を無視した行為でマクギリスなんかに着いて行くより、早々にラスタルに下ってればなぁ)
(そもそも裏切らないのが信条とか言っておきながらマクギリスを裏切ったりしたんだけどね)

ダインスレイヴ

ナノラミネートアーマーという最強の盾を標準化してしまった。
その結果、まともな火器で機体を無力化するのがかなり困難になり、実弾使用や近接格闘志向になっていった。

物語後半においてギャラルホルンとの戦闘が本格化する中で、
敵側の"圧倒的な火力"を表現する上で上記装甲は相当な障害となってしまい、
イデアに困窮して生まれてきたのがこのダインスレイヴである。

上記装甲を簡単に貫く火力、かなりの遠距離からも容赦なく命中させられる精度を誇り、
あろうことに量産が可能で運用も容易という特徴を引っさげて登場したこいつのせいで、
映像的に唯一見所のあった戦闘シーンは、
以後遠くからダインスレイヴを多数打ち込むだけの鶏モモ下処理ムービーとなっていった。

要するに、環境を一気にインフレさせたけど収拾が付かなくなった兵器。

でも避けられるんでしょう?

マクギリスみたいにダインスレイヴを理解してるパイロットは避けられるんだよね

そもそも高精度なのも理解できないし避けられるのも理解できない。素直に説明不足

ギャラルホルンから逃れるために個人情報を書き換える

降伏も受け入れられず戦況も最悪であるため、
最後の手段としてIDを変えて姿をくらまそうとかいう才女クーデリアの提案。

それで、IDの改竄を行うためにタカキの待つ地球へと向かうのだが、
そもそもこれなんで本人らがいないと成り立たないのかとずっと気になって仕方がなかった。
正規の手続きならともかく不正だろ?

更に、IDを書き換えるだけで全部なんとかなるみたいな話になるのもまるで分からん
なんだこれ

ハッシュ

後先考えない脚本に振り回されどいつもこいつも無能になり、そして無駄死にしていくといった
オルフェンズを最も象徴するキャラの一人。
登場させて三日月に鍛えさせたはいいが、その後ろくな武勲も上げられず、
特に体を張って誰かを守るという意味もなくあっさり死んで行った。

オルガ

1期でCGSに「お前は無能だ」「クソみたいな命令で部下を殺して平気な顔」してると言い切ったはいいが、
2期というか、1期から既に「足止めるな」botになっており、具体的な指示を出した場面というのが思い出せない。
彼が立案した作戦は基本的に失敗し、その度に甚大な被害を出している。

「筋を通す」というのを第一信条としているが、
窮地に立たされた際、マクギリスを裏切ってラスタル側に許しを請う描写がある。

また、自分というものが一切なく、行動原理はあくまでも「三日月にいいところを見せたい」というだけ。
彼が口にする言葉は常に抽象的で理解しがたいものだが、
ビスケットに三日月に関する弱音を吐いたシーンだけは実に具体性があった。

最強パイロット議論

おそらく骨董品のバエルであそこまで戦えた阿頼耶識マクギリスが最も優秀。
阿頼耶識施術前の時点でトリプル阿頼耶識三日月の動きに着いて行けている描写もあり、
バエルが
作中最も面白いギャグキャラなのも彼でしょう。

2位はたぶんアミダ。
というのも、1期でジュリエッタを機体差で完全に劣りながらも派手に圧倒してしまった。
そのジュリエッタが2期で三日月を完全に抑え付けていたので、他にこの地位に座れるパイロット候補が昭弘くらいしかいない。

3位は昭弘。
前述のアミダに阿頼耶識なしのクソ機体で渡り合い、更にはダブル阿頼耶識であるという伸び白がある。
普段鍛え上げているだけあって本体性能が異常にタフ。
戦闘スタイルが猪突猛進で非常に泥臭いところがいいので、もうちょっと戦闘シーンが見たかった。
(今作でトップクラスにいいキャラじゃないのかな)
(ブレまくってる他キャラと違ってずっとキャラ保ってたのも良かった)

4位はジュリエッタ
戦闘シーンはほぼなかったのでどうやっていたのかはまるで分かりませんが、
トリプル阿頼耶識の三日月を完全に抑えつけた描写があります。
あと、鍛えてるシーンが皆無なのに本体性能が昭弘並みにタフです。
なんで?

5位は三日月。
作中、あらゆるキャラから強い強いとは言われてはいますが、目立った武勲は言うほどない。
ビスケットを失ったカルタ戦といい、シノの作戦を失敗させたジュリエッタ戦といい、
ここぞというときにやらかして大被害を招いている。
確かに強い方のキャラではあるんだけど、せめてダインスレイヴを避ける描写はほしかったなぁ

ガエリオ(+アイン脳onキマリス)は機体が強いだけなんじゃないかと思っている

結局のところマクギリスなんだよね

最初から最後までギャラルホルンの内輪もめで終わった印象です。

ストーリーはお粗末だったけど、ロボットの戦闘シーンは単純にすげーって感じで見られました。
頭空っぽにしてみるならいい娯楽作品だったのかもしれないね