俺が理解するために調べて書いているだけのもの
ウッドショック概要
新型コロナの流行により世界的に運送が一旦ストップされ、木材の減産が行われた。
運送の活動再開後、巨額の経済対策により金余りが起きている米国や、早期から経済活動を再開した中国により減産された木材が買い占められている状況が続き、国内では輸入材の大規模な不足が発生している。
この木材の不足により、住宅価格の高騰や納期の大幅な遅延が見込まれる。
原因
主に 2 点が原因で、世界的に建築需要が高まってしまったのと、木材を運ぶためのコンテナが不足してしまっているということである。
どちらも新型コロナ起因のもので、結果として木材の歴史的な高騰を招いてしまった。
ちなみに、特に高騰しているのが集成材である。
世界的な建築需要の高まり
新型コロナの流行以降、経済支援を目標とする大幅な金融緩和が世界諸国で実施されており、かなりの金余りが発生している。
金余りの結果、潤沢な給付金を投資に使う個人投資家が急増する等、資金に余裕のある人間は更に資金を増やすこととなった。
更に、テレワーク(≒今回の場合は在宅勤務)の拡大により、仕事のために都心の小さな家に住む必要がなくなったため、郊外に大きな家を建てる世界的な流れが発生し、これを金余りが後押しした。
米国の例では、歴史的な低金利政策により米国住宅ローン金利も超低金利となっており、
住宅購入の精神的障壁がかなり薄くなっていることが推察される。
深刻なコンテナ不足
新型コロナの流行によりあらゆる需要の低下を招き、物流がストップ(あるいは減便)した。
2020年夏ごろ、巣ごもり需要関連商品を皮切りに物流を動かす流れになったはいいものの、
人員の不足等の要因によりコンテナが上手く輸送しきれないといった問題が発生してしまい、コンテナ船の運賃の上昇やコンテナそのものの高騰を招いた。
高騰したコンテナを押さえられるのは国力のある米国と中国が中心である。
また、同時期に発生している半導体の供給不足の例に漏れず、木材も物流がストップした段階である程度の減産を行っており、
急激な需要回復に対応できるだけの在庫を備えていない。
日本の状況
まず、新型コロナ以前までの林業の状況を踏まえる必要がある。
国産材は急峻な場所で育つため加工に苦労を要するのと、複雑な商流を辿ることになるため中間コストが増大したのを国も半ば放置していた。
更には西洋住宅化が推進されると共に木材の使用量が減少したため、否が応でも安く使いやすい外材にシフトせざるを得なかった。
需要の減った国産材に関わる人材は当然少なくなり、結果的に林業は衰退してしまった。
今回のウッドショックを迎えて、材料が入ってこないのであれば国産材の増産を行わなければならないが、
人材育成や環境整備を怠っていたツケのせいで急激に回復した需要にはとても対応しきれていない。
相場のあれこれ
1419 タマホームは国産材へのこだわりを謳ってはいるが、材料が全部足りていない状況なので少なからず影響はあるのではないかと思っている。
ただ、国産材へのこだわりを強調している以上、この状況では好感される可能性が高い。
業績が良く、更には高配当銘柄に分類されるため、権利月である5月まではおそらく順調に推移すると思われる。
7898 ウッドワンは造林を所有しているというアドバンテージがあり、供給側である。
事実、ウッドショック問題が騒がれてきたあたりから右肩上がりであり、過去には第 2 次ウッドショック時に暴騰している。
2021/04/23 にチャートが崩れたのでなんとも言えないが、ウッドショックをメディアが大々的に取り扱い始めたらいよいよ売り目線で見るべきだと思う。
関連銘柄がとにかく少ないが、この 2 つには注視したいと思っている。
参考文献
［緊急］ウッドショック！！家が建てられなくなる？！ | あすなろ建築工房
https://www.youtube.com/watch?v=Qy7F4xOZT4A
「ウッドショック」、のお話。 | ひだまり設計工房
https://hidamari-sekkei.com/archives/8626
木材価格市況標準相場 | 東京木材問屋協同組合
https://www.mokuzai-tonya.jp/geppou/2103/pdf/souba_2102.pdf
木材が買えない!? 住宅市場に忍び寄る木材危機 | Housing Tribune Online
https://htonline.sohjusha.co.jp/20210408-1/
