Moonlighter の感想

ネタバレあり
steam 版

Moonlighter

2D アクション + ローグライト。
ランダム生成のダンジョンを潜って得たものを自分の商店で売り捌いて資金を稼ぎ、
その資金で武器防具や商店の拡張をしていくゲームです。

難易度は 3 段階。比較して遊んでないので何が違うのかは不明。
開発オススメのハードを選択。

非常に単調な作業ゲー

ダンジョンが変わっても新しいギミックが登場することは特にありません。
敵やドロップが変わるだけです。
最初から最後までダンジョンに潜ってアイテムを集めて帰還して売る、の繰り返しです。

仕様上、武器種を気軽に変更しにくいので「飽きたからこっちの武器触ってみよう」みたいなことができません。
アイテムの売り方も基本的には単調なので、どこへ行っても気分が変えられないというのは簡単な牢獄を連想させます。

多少捻ったストーリー

ローグライトにしては割と出生であったりダンジョンであったりの設定を頑張ってる印象でした。
そのせいでクリア後の余韻が少し後味悪くなってしまっているので、正直長短あるなぁと思うところもあり。

なぜかバランスが良くなっているインベントリの狭さ

そもそもダンジョンが狭いので、1 階層漁り終わる頃にちょうどインベントリが満タンになってます。
20 枠はどう考えても狭いのですが、このゲームの効率の良い攻略をしようと思ったらこの仕様が噛み合うようになってます。
1-3 階層全て漁りまくる人だったらアイテムの取捨選択という効率の悪いプレイをすることを強制されるでしょう。

ダンジョンの途中で所持アイテムを自宅のチェストに送信することもできるので、
結果的には割とバランスが良くなってしまっている調整になっています。

インベントリパズルはいらない

ローグライクの「呪い」状態を表現したかったのかもしれませんが、
ただただストレスでしかなく何も面白くなかったです。

質のいいドット絵グラフィック

動きが結構細かったりして本当に頑張って作っているのが伝わります。
まったく別のゲーム性で新作を作るつもりがあるなら期待したいです。
ガワは本当にいいゲームです。

ローグライト特有のひりつくジリ貧感が極端に乏しい

おそらく俺の脳が喜んでくれない最大の欠陥がこれです。
「いつでもアイテムを全て持って帰還できる」のです。

アイテムといえばほぼ 9 割が持ち帰って換金や素材にするだけのもので、
ダンジョン内でそのまま使えるアイテムがありません。
更に、場所や時間を選ばずボス戦中ですらローリスクでアイテムを持って帰還できる仕様になっています。
そうです。緊張感がまるでないのです。

これは根幹となるゲームデザインに起因していることなので、
これを否定することは本作を否定することに繋がるような気がしますが、それでも否定したいです。
いつでも帰れるという安心感から生まれる脳内物質なんて存在しません。
「もう死んだわこれ」と思いながらそこら辺に落ちてるアイテムを上手く使って極限状況を打破していく、
といった楽しみ方がこのゲームにはまったく存在していないのです。

これによって作業感がより強調されてしまっており、はっきり言ってしまえば面白くない/つまらないのです。

Moonlighter の進め方

サブ武器に弓を入れとけばメインは好みです。
槍は遮蔽物や穴を跨いで一方的に攻撃できるシーンが多くてとてもオススメだと思います。
基本的にはこの 2 種類の武器種だけを強化していきます。

新しいダンジョンに来たら 1-2 階層を巡回し、インベントリが満タンになったら帰還を繰り返し、武器を強化していきます。
防具に関してはプレイヤースキルにも依存するでしょうが、基本的には後回しで構いません。
武器が強くなった段階で自分のスキルに応じて防具も強化するかどうかを選択して、ボス部屋に直行します。
また、エンチャントは終盤になるほどコスパが上がっていきます。積極的に利用しましょう。

商店はチップ上乗せの設置物やレジを最優先にします。
ただただ作業なだけなのでできる限りダンジョンに潜る回数を減らしましょう。

投資商人はどうぶつの森の"かぶか"をイメージして頂ければそのものだと思います。
6 日間、毎日上がるか下がるかするので好きなタイミングで決済します。
最終日までに決済されなければ没収するもので、ぶっちゃけ普通にダンジョンに行くだけでほぼ事足りるので招聘すら不要だと思います。

終盤のボスは弓で一方的に殴るだけで倒せるものが多いです。
最終強化にすれば火力も悪くないのでこれでいいんだと思います。

光っている穴を見つける

ダンジョンの中にはキラキラと光る穴がある場合があります。
光る穴に落ちると様々なギミックのある部屋に降りられます。
部屋に入った時だけ光るので、敵がいたり強制戦闘部屋だったりする場合は一旦安全にしてから再度出入りして光る穴を見つけるのもいいかと思います。

  • 中央に一つだけアイテムが落ちている: 基本的には歴史書があります。取ったら代わりのアイテムをなんでもいいから置いておかないと強力なモンスターが召喚されます
  • 中央に何も入っていないチェストがある: 入れたアイテムが自宅に送信されます。当たり部屋。
  • チェストと石のようなものがある: 石に触るとモンスターが召喚され、全て倒すとチェストが開けられるようになります。チェストを開けずに何度か石に触るとチェストのグレードが上がります。
  • ゴミ箱が転がってる: アイテムがいくつか落ちてるので入手できます

雑感

13 時間ほどでクリアでした。
開きっぱなしにしてた時間もあるのでたぶん 10 時間前後だったかと思います。
あんまり齟齬がない。

このジャンルには珍しく、あまり面白くなかったという感想を抱きました。
最初は確かに面白かった気がしましたが、あまりに単調で中盤からずっと作業でした。

グラフィックは本当にきれいです。
操作感がよく、キャラクターを動かすのも楽しいです。
ただ、根幹となるゲームデザインが陳腐なので上記の肯定的な感情が全部吹っ飛んで、ただの虚無作業ゲーになっちゃってます。

もっと単純なアクションゲー作ったらかなりの人気が出そうだなぁと思いました。