steam 版
ネタバレあり
What Remains of Edith Finch
ADV。
進め方自体は一本道ではないのですが結末は一緒です。
誘導も丁寧なので攻略できなくなることはなく、またこちらの行動で何かが変わるわけでもないため、
ただただ話を追っていくゲームです。
とにかく画面酔いする
横で見てた彼女が酷く酔ってました。俺も危なかった。
画面酔いの原因はほぼほぼ FOV(視野角) に起因していますが、このゲームなんと FOV が調整できません。
"今後実装します"の一言もありません。
元々リプレイ性のないゲームですが、この理由のために 2 回目をプレイする人は本当に数少なくなってるような気がします。
ユーザにより Cheat Engine を利用して無理やり FOV を大きくする方法が提示されていますが、
クリアまでの時間がかなり短いので我慢しました。
どうしてもダメそうならそちらの導入を検討するといいかと思います。
追体験
フィンチ家の人間はファイナルデスティネーションばりに面白死を遂げるのですが、
それらを追体験していくのがこのゲームの主なタスクとなります。
フィンチ家の人間の死因が詳細に書かれた手紙を読むと追体験できるらしいです。
死んだ本人が書いてるものというのは少なく、死後に他人が書いた弔文が特に多かったです。
「お前死んだのにいつ書いたんだよ」みたいな野暮な突っ込みが発生するものはほぼなかった覚えがあります。
(そこら辺に矛盾は特になさそう)
追体験では書かれた内容以上に詳細な状況を再現している他、明らかに人でない視点にすらなることがあります。
特にバーバラの追体験が該当しますが、実際に起きた状況というよりは手紙に記された内容をそのまま体験しているようなので、
現実に起きた出来事がどのようなものであったか、というのはプレイヤーが想像するしかありません。
「生きてる可能性があるとしたら 1 人か、または 2 人か」
一応エディス視点なので、自らがまず 1 人目です。
エディスが妊娠しているという背景から 2 人目はおそらくお腹の子という解釈になりますが、
なんとなくミルトンのことを指している気もします。
ミルトンの場合、彼の失踪を記したパラパラ漫画を読んでも追体験が始まらないんですよね。
誰も詳細な状況を知らないのでただただ失踪したことしか分からないような内容になっています。
だから「もしかしたら」という文脈で 2 人目の生き残りを示唆しているように思えました。
多彩な表現に全振りしたゲーム
"こういうことがやりたかった"がまず先に来て、肉付けとしてのストーリーを後から付け足したような印象です。
ゲームらしく多少はインタラクティブな介入ができますが、基本は知育向けの絵本を読んでいるような感覚に近いです。
ADV ではあるものの謎解き要素はほぼゼロで、残された謎も別に深堀するほど魅力のあるものはありません。
ただ、設置されてるオブジェクトは雰囲気づくりに大いに貢献してますし、
追体験における表現も多彩で飽きさせないものであったことは間違いなかったと思います。
"やりたかったこと"という部分においては高水準でやり遂げています。
それ以外の点に置いては申し訳ないですけど本当に退屈でした。
雑感
625 円で購入してクリアまで 2.3 時間でした。
フルプライスで購入した人はご愁傷様です。
こういうゲームもあっていいんじゃないか枠です。
個人的にはほとんど刺さらなかったし、心に残るものもほぼありませんでした。
(ただ一つ、心に残ると言えば FOV が設定できなくて異常に酔いやすいなぁという体験ですかね)
一言で表すなら雰囲気ゲーの極致です。そういうのが好きなら是非どうぞ。